前回はジェントスの自転車ライト、XB-M01Rの購入理由を書きました。
主な使用目的は日帰りサイクリングの保険と急に現れるトンネル対策です。そのため光量と引き換えに、軽くて小さなライトを選びました。
基本的なスペックは以下のとおり。
◯明るさ/点灯時間/照射距離
200ルーメン/2h/7m
100ルーメン/9/h/18m
20ルーメン/20h/26m
点滅/11h
何度か夜道を走ってみましたので、感想や照射範囲、XB-M01Rならではの使い方なんかを記事にします。
>>取扱説明書
ディテール
パッケージはこんな感じ。
付属品です。本体に加え、バンドとクリップの2種類のブラケットがあります。そして地味に嬉しいのがタイプCの短いコードです(15cm)。長いコードはいくらでもありますが、この短さのは買おうと思いつつ後回しにしていたのでラッキー。
ペツルのヘッドライトよりも小さい
約33×38×26mmとかなりコンパクト。
ペツルのヘッドライト(アクティックコア450)より小さいです。
スイッチ
スイッチは1つだけ。
・長押し:オンオフ
・点灯中にワンクリック:20ルーメン→100ルーメン→200ルーメン→20ルーメン…
・点灯中にダブルクリック:点滅
アクティックコアと同じ程度の硬さ+長押し点灯なので、バッグの中で間違って点灯させちゃって肝心なときにバッテリー切れ…というシチュエーションは防げそう。ロック機構はないけど。
使用中のバッテリー残量はわかりませんが、充電中はわかります。
USB Type-C
裏面から充電できます。USB Type-Cです。相場がわからないのでなんとも言えませんが、カバーの厚みはそこそこあるように感じました。
使用中はバッテリー残量がわかりませんが、充電中は充電が完了したかどうかがわかります。赤いランプなら充電中、緑のランプなら充電完了の合図です。
防水性能はIPX4です。アクティックコアと同等。
アトピー対策でかなり爪を短く切っている私でもカバーの小さなつまみを容易に掴むことができます。つまみはかなり小さいので、気づかない間に引っ掛けて緩む可能性は低そうです。
ブラケットは2種類
ブラケットは2種類。バンドとクリップです。バンドは自転車、クリップはバッグやウェアに使えそう。
基本は磁石で固定されますが、接合部分に溝があるため、磁石が外れても簡単には落ちないようになっています。磁石+ロック機構のような感じです。
ひねりながら引き離すようにしないと取れないため、振動には強いと思います。
バンドの自転車と接する部分はクッションになっており、傷をつけにくくなっています。バンドの耐久性は不明ですが、心配なのでバンド単体でも販売してほしいです。
詳しくは後述しますが、本体とブラケット間の着脱がとても楽で早いので、所持してる自転車すべてにブラケットをつけっぱなしにできると最高に楽だと思います。
バンドのほうはライトがやや下を向くように、本体とバンドの接合部が斜めになっています。バンドを逆さまにつければやや上方向を照らすこともできますが、そもそもバンドで固定するので上下の角度は融通が効きやすいです。
クリップはなんの変哲もありません。
重さ
本体重量はわずか23.4g。ペツルのエマージェンシー向けのヘッドライト、イーライト(26g)よりも軽いです。
バンド込みで公称通り38g。
クリップ込みで32.5g。
超軽量です。
着脱方法
まずは本体とブラケット間の着脱方法を動画にしました。
それぞれを近づけると吸い込まれるようにカチッとハマります。ライトの上下はどちらでも取付可能。
取り外すときは軽く右に回しながら引き抜くだけです。本体とブラケット間の着脱は1秒未満でとても早くて楽ちん。ちょっとコンビニに寄るだけでもサッと外せるので、盗難防止力が高いです。
固定力もあるようで、ダートや階段をダダっと下っても外れませんでした。
ちなみにブラケットと自転車間の取り付けは、バンドはフックに引っ掛けるだけ、クリップは挟むだけです。
バンドは21.5〜32mm径に対応してます。MTBのハンドルのクランプ付近にも装着できました。
初めての使用で磁石が取れた
購入して初めて自転車に付けて1時間走ったらこの有り様です。
途中から光がブレるというか、ちょっとガタつくようになったのは感じてたんですが、まさか初っ端から壊れるとは思っていませんでした。
接着剤でガッチリ固定したので、今度はもう大丈夫だと思います。
磁石が取れたのはネガティブですが、磁石が取れたのにライトが落ちなかったのはポジティブです。溝が効きましたね。
夜道を照らしてみる
20ルーメン/100ルーメン/200ルーメン
真っ暗な公園でXB-M01R各モードで点灯させました。満充電から1時間ほど使った状態の画像です。
購入前に気がかりだった点ですが、やはり照射距離は短いです。XB-M01Rだけで田舎の夜道を走れなくはないですが、積極的に走ろうとは思いません。かなり速度を制限されるので。あくまで保険だ。
100ルーメン/200ルーメン/アクティックコア100ルーメン
比較対象としてペツルのヘッドライト、アクティックコアを100ルーメンで点灯させました。
アクティックコアはXB-M01Rの200ルーメンよりも遠くに光が届いています。XB-M01Rの配光は「近く広く」のようです。
XB-M01R/アクティックコア
横への光の違いは一目瞭然。XB-M01Rは真横も照らしています。被視認性が意識されてるのかも。
パッケージを見ると「時速10km程度で該当のある街中の走行」を想定されていることがわかります。そもそも遠くを照らすつもりがないライトですね。
右フロントフォークに取り付けるとこのように照らします。普通の棒状のライトよりもタイヤが影になりやすいかもしれません。装着しているのは27.5×2.8のブロックタイヤです。
ツーリングでメインライトにはなりえませんが、いつもの行動範囲で単体使用や、軽さ小ささを活かした保険ライトとしてはアリだと思います。
活用アイデア
XB-M01Rは「遠くを明るく照らす」という意味では決してスペックは高くありません。しかし軽さ、小ささ、磁石内蔵、バンド固定、クリップ固定という特徴から、さまざまな使い方ができておもしろそうです。
・ヘッドライト化
・サイクルジャージのポケットやバッグに挟みリアライト化
・シートポストに固定しリアライト化
・パンツのウエスト部に挟み前照灯に
・クロモリ自転車に磁石でくっつけてランタン化
・タープに挟みランタン化
ヘッドライト化
クリップを使用してヘッドライト化できます。
わざわざバンドを用意しなくとも、キャップを前後逆に被りアジャスター部分に挟むとヘッドライト化できました。
真っ暗な林道でパンク修理や夜間のテント設営でヘッドライト化できれば便利だと思います。ほかにもキャンプや登山など、自転車を降りてから活躍してくれそう。
自転車ライトの保険だけでなく、登山のヘッドライトの保険としても使えそうですよね。軽量化のためにペツルのイーライト(26g)を持つなら、ジェントスのXB-M01R(本体23.4g)を持ったほうがいいような気さえします。
なんだか自転車層じゃなくて、ULハイキング層に売り込んでもよさそう。実際徒歩やジョギングペースだと使いやすい光量でした。
あちこちに装着できる
ヘッドライト化が最たるものですが、XB-M01Rはあちこちに装着できます。
たとえば、クリップを使ってサイクルジャージのポケットに挟んで点滅させればリアライトの代用に。バンドを使ってシートポストに装着してもいいですね。
キャンプであれば、タープに挟んでランタン化。上画像のようにブラケットを使わず本体のみ磁石でクロモリフレームに装着しランタン化なんてこともできます。自転車をポール代わりにタープを張ると相性がいいかもしれません。
またヘッドライト化が難しくとも、バックパックのチェストストラップやパンツのウエストに挟むと前を照らせます。
夜の犬の散歩でウエストライト化がかなり便利です。ヘッドライトのように顔まわりに虫が集まらないし、見た目も仰々しくありません。両手があくのでリード捌きやうんち取りがやりやすいのなんのって。ライトが軽いのでパンツはズレませんし、ヘッドライトのような締めつけ感もなく快適そのもの。
犬の散歩のライト問題に終止符がうたれました。夜のランニングにもすごくよさそう。
保険+さまざまな使い道がある
自転車のメインライトとしては弱いですし、保険として持ち運んでも使わなければただの重りです。しかしXB-M01Rは保険+αの使い方ができるので、ただの保険(重り)にはなりにくいのがいい。
ツーリングの保険としてバッグに忍ばせておいて、キャンプではヘッドライトやランタンとして有効活用できます。自転車用としては光量が不足していても、歩きや停滞時であれば充分な光量があります。100ルーメンなら点灯時間が9時間なので、安心して夜を越せるはず。
夜道を走るとわかっているときはアクティックコアを併用する
購入前は「XB-M01R単体で田舎の夜道を走れたら最強だぞー」なんて淡い期待を抱いていましたが、実際に暗い田舎道に繰り出すとその期待は見事に打ち砕かれました。保険としてはいいけど、やはりメインではない。
しかしアクティックコアと併用すると、けっこう使えそうな手応えがありました。
アクティックコア単体100ルーメンで走ると暗さを感じていました。しかし450ルーメンで使うと2時間しか持たないので、もったいぶって100ルーメンをよく使ってしまうという状況が多発。
ところがXB-M01Rを併用するとこれがなかなかよさそう。
アクティックコア(100ルーメン)で中長距離を照らし、XB-M01R(100ルーメン)でタイヤ周りの近距離を広く照らすことで、それぞれを単体で使うよりかなり安心感があります。
日中のみのサイクリングではXB-M01Rを保険&トンネル要員とし、夜道を走る可能性が高い場合はアクティックコアと併用でいい具合の光量を確保。万が一片方のライトが故障しても、光を完全に無くすリスクを回避。オーライトのRN1500があっさりと壊れた経験からライト2台体制の実現は必須事項でしたが、いい具合に解決できそうです。
状況によってはXB-M01R単体で前を照らし、アクティックコアは赤く点滅させてリアライト化なんてこともできますね。
さらにキャンプシーンでは片方をランタンとして、片方をヘッドライトとして便利に活用できます。保険以外の活用方法があるのは無駄が少なくて気持ちいいです。