ガスストーブよりアルコールストーブや固形燃料のほうが好みです。めんどくさがり屋な自分は徒歩だけならガスストーブを使ってたと思いますが、心配性な自分は自転車に積載したときの振動や衝撃での破損が気になるのでシンプルなアルコールストーブや固形燃料を使いたくなる。
そこで必要になるのが風防や五徳です。これまでいくつか使用してきましたが、どれも決め手に欠けるというか、使い続けるに至りませんでした。しかしようやく私がほしい機能が備わったと思われる風防と五徳を入手しました。
野鋭具兵学校の風火蔵を買った。アルストや固形燃料の風防兼五徳で、展開撤収が一瞬で済む。ほかにも風を利用してターボ化、変形してドリッパー化などシンプルだけど無理なく多機能なやつ。製品説明が長く濃くて良い。https://t.co/kKa5zuBSho pic.twitter.com/6iJQr7pSst
— モージュー (@yama_chari) July 18, 2022
それが野鋭具兵学校の風火蔵です。
いわゆるガレージブランドの製品で、風防と五徳が一体となったタイプ。37gと軽量、展開撤収が一瞬、細かいパーツがなくシンプル、スタッキングが優秀、煮炊きできる剛性などに惹かれました。ほかにもドリッパー化、火力を上げるターボ化などシンプルな中に無理なく機能が搭載されています。
これまで使ってた風防と五徳
トランギアのアルストの風防兼五徳を少し改造。風防能力が弱くてアルミホイルを巻いたけど、それでも火が流れてメスティンの取っ手が溶けたことがある。だからさらに風防能力をアップさせるためにカーボンフェルトをぐるっと巻いてみた。側面の通気口は本体に合わせて開けた。 pic.twitter.com/yS9u5R4ZUb
— モージュー (@yama_chari) August 9, 2021
アルコールストーブの風防兼五徳で以前使ってたのはトランギアのものです。組み立て不要であることを重視して選びました。トランギアのアルコールバーナーに燃料を入れて風防兼五徳にセットしたままパッキングすることで、即時展開〜着火できるようにしていました。
しかし風防としての能力が微妙だったこと、やや重いこと、そしてスタッキング性能が低いことが気になりました。スタッキング性能が低いのはわかって購入しましたが、思ってたより邪魔でしたね。クッカー内にはバーナー類以外をスタッキングすれば無駄なスペースは生まれないけど、単純にバックパック内でかさばって邪魔。
心配性な自分はアルコールストーブより固形燃料のほうが好みです。物としてはアルコールストーブのほうが好きだし使いこなしたいんですが、固形燃料のトラブルの無さの魅力のほうがやや上回ります。
だから最近は固形燃料ばかり使っていました。
カーボンフェルト風防兼コジー兼ケースの完成度を高めたい。
・雪上
・多少の風
・0度
・250ml
・青い固形燃料1/2
沸騰までいってないけど温かいものは食べれる温度で6分30秒ぐらい。もっと火力と耐風性を高めたい。改善案はあるけど、その前に現状の性能をテストせねば。 pic.twitter.com/Aalztftsp0— モージュー (@yama_chari) February 22, 2022
風防はカーボンフェルトで自作。クッカーサイズに合わせて作り、ケースやコジーを兼ねていました。五徳はエバニューのチタン十字五徳。
この風防と五徳の組み合わせは軽さ、スタッキング性能、耐風性などよかったです。
ただ十字五徳の組み立てや風防のセットアップがややめんどう。そしてパーツが増えて煩わしく、どうしても好きになれないシステムでした。そして湯沸かししかしなかった自分に心境の変化があり、野外でも炊飯などの調理をしたいと思うようになったため、この風防と五徳により使いにくさを感じるようになりました。
風防兼五徳に求めること
風防と五徳が分かれていると、どうしてもセットアップにひと手間かかります。そこでめんどくさがりな自分が選ぶべきは風防と五徳が一体となったタイプ。
その上で求める機能は、
・軽量
・スタッキングしやすい
・風を防ぐ
・ソロサイズのクッカーが安定する
・一人分の調理ができる剛性がある
・組み立てや片付けが一瞬で終わる
・細かいパーツがなくシンプル
かなり要望が多いですが、今まで経験や性格を考えるとこれらをしっかりと満たす風防兼五徳がほしい。
候補はミュニークとTripod power
条件を満たす風防兼五徳が見つからなかったため、どこかで妥協することを考えました。
妥協した上での候補は、
・ミュニーク X-Mesh Stove ラージ
・Tripod Ti Power
の2点です。
ミュニークは組み立てにひと手間かかるのと、浅型のクッカーとスタッキングの相性が悪そうに思えました。分解して広げた状態だと薄いけど長くなってそれはそれでパッキングしにくそう。
Tripodは折りたたむなどできないため、多少スタッキングに影響すること、耐荷重がやや心配なこと、そして別で風防が必要になることが妥協点。アルミホイルの風防とセットで使えばかなり軽くできるので魅力的ではあるんですが、それならこれまで通り十字五徳と自作風防でもいいため決め手にはならない。
なによりどちらも組み立て、セットアップが必要になるのが気にいらない。ささいなことなんですが、大嫌いな作業だからできるだけ避けたい。
結局、野鋭具兵学校の風火蔵しかない
・軽量
・スタッキングしやすい
・風を防ぐ
・ソロサイズのクッカーが安定する
・一人分の調理ができる剛性がある
・組み立てや片付けが一瞬で終わる
・細かいパーツがなくシンプル
以上の条件を満たす風防兼五徳。結局は野鋭具兵学校の風火蔵しかないとの結論になりました。条件を満たす上にドリッパーモードを器にするアイデアも自分のなかにあって、ほかの風防兼五徳よりも頭ひとつふたつ抜きん出ていました。
しかし問題がないわけではない。
製作者の方のYouTubeを観てたので風火蔵の存在自体はかなり前から知ってはいましたが、すぐに購入はしませんでした。いいお値段なのでしっかりと納得してから買いたかったことと、なにより私がよく使う青い固形燃料との相性がどうなんだろうと疑問があったからです。
商品ページを見る限り風火蔵はアルコールストーブとの使用をメインに想定されていました。火力と高さが劣る固形燃料で風火蔵の性能を活かしきれるのかが読めず、購入を躊躇していました。
固形燃料で使えるのか?
固形燃料で使えるように工夫はできると思うんですが、そのために小物や手間が増えるのは気に入らないんですよね。なんのために展開撤収が早い風火蔵にしたのかわからなくなってしまう。
固形燃料をカットして表面積を増やし火力アップはできそう。手間だけど火力アップと必要量だけ使うために以前からやってたことで、風火蔵のために増える作業ではないのでOK。
問題は五徳までの距離。アルコールストーブは高さがあるし、火力も強い。しかし固形燃料は背が低く、燃焼が進むに連れてどんどん小さくなってしまいます。
対策するなら土台を用意することでしょうが、物が増えるのが嫌だし、めんどくさくてどうせ使わなくなるのが目に見えてます。性格を考えると、現地で石を拾って台にするのがギリギリできる対策かな。
もっとも惹かれたのは展開撤収の早さとスタッキング性能
風火蔵でもっとも惹かれたポイントは展開撤収とスタッキングが両立されているところです。
風防兼五徳を探していて、「展開撤収が早いものはスタッキング性能が低く、展開撤収が遅い組み立て式などは薄くコンパクトに収まる」傾向があるかなと感じていて、風火蔵はどちらも高次元にまとまっているように思いました。
野鋭具兵学校の風火蔵を買った。アルストや固形燃料の風防兼五徳で、展開撤収が一瞬で済む。ほかにも風を利用してターボ化、変形してドリッパー化などシンプルだけど無理なく多機能なやつ。製品説明が長く濃くて良い。https://t.co/kKa5zuBSho pic.twitter.com/6iJQr7pSst
— モージュー (@yama_chari) July 18, 2022
固形燃料であろうとその魅力は変わらないこと、そして火力アップは私のなかで重要事項ではなかったため、風火蔵の購入を決めました。条件を思い返すと「火力アップ」なんて項目はなかったし、仮に固形燃料との相性がいまいちだったとしても風火蔵は魅力的でした。
厳密にはYouTubeを観て「風火蔵で固形燃料を使える」のはわかってたんですけど、「固形燃料でターボ化できるか」がわからないのがネックでした。風火蔵の耐風モード時に人力で風を送り強制的にターボ状態を作り出せれば、固形燃料の火力の弱さを補えるんじゃないかと考えていたので、購入に踏み切れずにいたのです。
もしあまりに固形燃料を使いこなせなかったら、アルコールストーブを使いこなす方向で考えることにします。