自転車や登山でパールイズミのフェイスカバーを2年ほど使っています。顔と首を覆ってくれる、いわゆる日焼け対策グッズですね。
購入の動機は日焼け対策、虫食い対策ですが、それ以外にも冬の冷たい空気でも肺が痛くなりにくいというメリットもありました。加えて呼吸のしやすさ、メガネの曇りにくさ、排ガスや花粉対策などもあり、年中出番があります。
・春→日焼け対策/虫食い対策/花粉対策
・夏→顔や首周りの日焼け対策
・秋→日焼け対策/虫食い対策/花粉対策
・冬→顔の防寒/冷たい空気で肺が痛くなる対策
花粉症かつメガネ常用者の私にとって100点満点のフェイスカバー、マスクではありませんが、重宝しています。
※愛車はフルリジッドMTBにグラベルタイヤを履かせてるため、ロードバイクの速度域でのレビューではありません
装着感はいいが少し手間
首後ろのスナップボタンで2箇所と、耳に引っ掛けるループで装着します。ギチギチに締め付けなくてもズレることがなく、耳が痛くなったこともありません。
ただし通常のマスクのように、耳に紐を引っ掛けるだけのお手軽さはありません。
フェイスカバーは頭の後ろで小さなスナップボタンを2箇所留める必要があり、やはり少し手間に感じるんですよね。スナップボタンだからこそメガネやヘルメットを外さずとも着脱できるメリットはありますが。
また予めスナップボタンを留めておいてネックウォーマーのように頭からズボッと被ると簡単ですが、そうするにはメガネやらヘルメットやらを外す必要があり、それはそれでちょっとめんどう。
実際に近所をブラっとサイクリングするときは面倒で付けないこともあります。そのへんを流すにはちょっと大げさなんですよね。
ベンチレーションマスクのほうがお手軽
近所を流すときは同じくパールイズミのベンチレーションマスクを使うことが多いです。
フェイスカバーと同じく口周りが開放されているため、呼吸がしやすいです。これだけで虫を食べずに済みますし、顔の大部分は日焼けを防げます。見た目も普通。フェイスカバーほどではないにしろ、似たような効果を得られます。
長時間外にいるような場合は首まで覆えるフェイスカバー、短時間流すだけならマスク、という使い分けが多いです。
息苦しさは少なく快適
顔を覆う構造になっていますが、口周りは呼吸がしやすいように開いています。そのおかげで息苦しさが問題になったことは1度もありません。平地ではもちろんですが、峠の登坂でも脱ぎ捨てたくなったことはないです。
もちろん呼吸が荒くなるほどに息苦しさは増していきますが、口周りが覆われているマスクと比べると雲泥の差がありました。スポーツマスクのナルーマスクも使っていますが、はっきりと違いがわかるほどです。
同じ峠の登坂であっても、ナルーマスクではすぐに苦しくなり外してしまうところを、パールイズミのフェイスカバーであれば登り切るまで装着したままだったということがよくあります。
私はそこまで自転車をガシガシと乗り込んでいるわけではなく、せいぜい標高1000m程度の峠を登った感想です。
フェイスカバー、マスクの類の中ではかなり呼吸がしやすい製品だと思います。呼吸がしやすいからこそ、日よけや虫よけのために付けていられます。
補給がしやすい
口周りが開放されているため、なにも付けていないときと近い感覚で補給ができます。多少は慣れが必要ですが、口の開放部からボトルを差し込めます。ウイダーのようなゼリーもOK。
苦手とするのは溶けかけのチョコレートですね。開放部から食べるとフェイスカバーにべったりとついてしまいますんで、そのときはフェイスカバーをおろして食べます。とはいえフェイスカバーを完全に外す必要はなく、普通の不織布マスクのときと同じような動作で大丈夫。
日焼け対策はバッチリ
肌が弱いこととめんどくさいことが大嫌いな性格のため、夏場であっても日焼け止めは使いたくありません。
フェイスカバーはこれ1つで顔、耳、首を覆ってくれ重宝します。夏場に1日中バイクパッキングに出かけても、皮が向けたり真っ黒になったりしたことがありません。日除けの効果には満足しています。
衣類などの紫外線防止指数であるUPFは50+で、ガッツリと日焼け対策ができます。
最高値は50+です。
夏の太陽光の下で、皮膚が赤くなりはじめる時間を約50倍以上遅らせてくれるという数値です。
引用:UPF50+とは?
日焼け止めのように数時間に一度塗り直す必要もなければ、ランニングコストもかからない。さらに耳のような細かいところまで日焼け対策できるのがいいところ。
日焼け止めを持ち歩いたとて、私はどうせめんどくさがって塗りません。そもそも日焼け止めを持ち歩くのがめんどくさい。
宙を舞う小さな虫を食べないように
時期によって小さな虫が大群で宙を舞っていることがあります。私があれが大嫌いです。顔に当たるだけでも嫌なのに、口に入って食べてしまった日には…。
フェイスカバーを付けていればそんな心配は御無用。
フェイスカバーを導入後、一度も「あの虫」を口にしたことはありません。また頬に大きめの蛾のような虫が当たったことがありますが、肌に直接触れなかったため気持ち悪さは大幅に軽減されました。
1番いいのは、虫が口に入らなくなるおかげで目の前に集中できることですね。「小さい虫が飛んでないか」と気にする必要がないのはとても快適です。
ちなみに空から降ってくる雨、跳ね上げた水や泥も防いでくれます。
真夏の暑さでも耐えれる
メマトイと蜂の襲撃をかわしてなんとか峠越えた pic.twitter.com/gcz12Dhd0W
— モージュー (@yama_chari) August 13, 2022
どれだけの暑さに耐えられるかは個人差があるでしょうが、私の場合は真夏の昼間であってもずっと着用してられます。
もちろんなにも身に着けないほうが涼しいんですが、日よけ虫よけのためには仕方がない。顔周りの涼しさよりも、日よけ虫よけのメリットのほうが私には魅力的というだけですね。
ただ見た目よりは涼しいですよ。普通のマスクと違って口の開放部から換気できますんで。
冬の冷たい空気でも肺が痛くなりにくい
鹿を追う狐 pic.twitter.com/9psl1VCL3m
— モージュー (@yama_chari) February 20, 2022
学生時代、冬のマラソンや自転車通学は肺が痛くて辛かったです。それは現在でも変わらず、冬に自転車に乗ると肺が痛い。そのせいで自転車に乗りたくなくなる。
フェイスカバーを付けてるとその肺の痛さがかなり軽減されました。これは思わぬ効果でした。
フェイスカバー内がほどよく保温保湿され、冷たい外気を直接吸わなくなるおかげだと思います。さすが肩で大きく息をするような場面では少し肺が痛くなったことがありますが、なにもないよりは遥かにマシ。平地ではほぼ気にならないレベルです。
また冬は呼気でフェイスカバーは徐々に濡れてきますが、それも意外と気になりません。頬のあたりも濡れますが、皮膚表面が冷たいだけで致命傷になる気配はまったくない感じ。快適ではないけれど、許容範囲。不織布マスクのように内側に水滴が付かないだけ遥かにマシ。
首はフェイスカバーだけではきついですが、加えてゴアテックスのレインウェアのファスナーをいちばん上まで閉めれば問題なかったです。
耳も覆われるので多少は冷え予防になります。
気温や風、サイクリングの時間にもよって感じ方は変わりそうですが、私が使用した限りでは、5℃程度(寒い日の日中)であれば問題ないことばかりでした。
それ以下の気温では使用経験が少ないためなんとも言えません。0℃程度で短時間乗ったときは使えそうな感じでしたが。
パールイズミには冬向けのフェイスマスクがありますが、真冬を夜通し走るとか雪国にでも行かない限りはこの日焼け対策用のUVフェイスカバーで対応可能な気がします。
メガネが曇りにくい
普段使いから自転車や登山まで使ってるJINS Switch Flip Up。片手で一瞬でサングラス↔クリアレンズの変更ができるから、トンネルや暗い林道にノンストップで進入できる。プレートを上げた状態で時速40kmで走行しても吹っ飛ばなかった。そして冬は目がほんのり温かい。けど風は入るから乾きがち。 pic.twitter.com/rwTmCfIKpv
— モージュー (@yama_chari) July 24, 2022
メガネ常用者の私としては、メガネが曇るフェイスカバーやマスクは絶対に回避したい。視界が悪く危険なだけでなく、見たいものが見えないストレスは大きなものだからです。ラーメン食べるだけでも曇ったら鬱陶しい。
一般的な形状のマスクではどうしてもフィット感が足らず、鼻の隙間から吐いた息がダイレクトにメガネを曇らせます。その点、パールイズミのフェイスカバーは吐いた息が開放部から真下に放出されるため、メガネはかなり曇りにくいです。それがたとえ冬であっても。
停止状態だと開放部から出た白い息がメガネを曇らせた気がしますが、それでも通常のマスクよりは軽減されています。開放部に向けて息を吐くように意識するとさらに軽減されます(このへんは記憶が曖昧だから今年の真冬に再度試して内容を修正するかも)。
走行中であれば、メガネが曇った記憶はないですね。
あと頭からズボッと被るのではなく、巻いて固定するタイプなので、メガネやサングラスをかけたままでも着脱可能なのもグッド。
多少は排ガスと花粉対策になっている気がする
口周りが開放されているため、マスク的な効果は期待できないと思っていましたが、フェイスカバーを付けていると鼻水や喉の違和感がマシになっていることが多くありました。
いくらかは排ガスや花粉をブロックしているのかもしれません。
もちろんマスクとして販売されている製品と比べればフィルタリング効果などたかがしれているでしょうし、顔周りが保温保湿されて鼻水が軽減されただけかもしれない。それでも年中鼻水を垂らしている身としてはありがたいです。
春秋の花粉シーズンは、薬と併用して使うことが多かったですね。さすがにフェイスカバー単体では怖いので。事前に薬を飲むか、薬を持っていくかは状況次第。
大雨だと窒息することがある
入山と同時に雨が降ってきた。予報より強め長めで、結局帰宅するまで降られっぱなし。装備や計画の甘さがあり2時間で撤退した。楽しい濃い2時間だった。 pic.twitter.com/sgJmutou9r
— モージュー (@yama_chari) October 10, 2022
大雨で使うには少しだけ注意が必要です。フェイスカバーがビショビショに濡れた状態で何も考えずに呼吸をすると窒息します。
大雨のなか口を大きく開けてハアハアと荒く呼吸したときに、濡れたフェイスカバー口に張り付き息ができなくなったことがあります。窒息すると言っても一瞬なので大事にはなりませんが、呼吸が乱れて焦ります。肩で息をしている状態だとなおさらです。
フェイスカバーがビショビショに濡れているときは、口で一気に吸いすぎないように少しの注意が必要です。濡れてても基本は口に張り付かず快適なんですけどね。
雨であれば日よけ虫よけのために装着する意味が薄くなるので取り外してもいいんですが、そうすると今度は跳ね上げた水や泥が口に入ります。私は晴れでは日よけ虫よけのために、雨では跳ね上げた泥水対策に付けっぱなしのことが多いです。
パールイズミのUVフェイスカバーFA-3まとめ
花粉症かつメガネ常用者の私にとっては100点のフェイスカバーではありません。
メガネ常用者としては、レンズが曇らず快適です。
一方で花粉症持ちとしては、フィルタリング性能が低い、というか花粉をフィルタリングするための製品ではないため、春秋の花粉真っ盛りでは心もとないのも事実。
息が楽で、メガネが曇らず、花粉もバッチリブロックしてくれるフェイスカバーがあればいいんですがね。
しかしまあ花粉の薬を併用さえすれば、パールイズミのフェイスカバーはかなりいいです。なんといっても呼吸のしやすさが通常のマスクとは大違い。それが使い続けている理由です。
・春→日焼け対策/虫食い対策/花粉対策
・夏→日焼け対策
・秋→日焼け対策/虫食い対策/花粉対策
・冬→顔の防寒/冷たい空気で肺が痛くなる対策
ただ最近は花粉以外にも排気ガスやPM2.5などの大気汚染も気になるようになったため、フィルタリング性能が低いパールイズミのフェイスカバーは使わなくなるかもしれません。まだまだマスク問題に答えは出なさそう。
花粉症持ちではない、もしくは症状が軽度で、日よけ虫よけがしたい人にはピッタリだと思います。
もっとお手軽なほうがいいなら、パールイズミのベンチレーションマスクがおすすめ。フェイスカバーより日よけ範囲は狭いですが、それ以外は似たような効果が期待できるはず(真冬ではまだ使ってない)。