メガネ常用者で花粉症持ちがスポーツマスク専業ブランド、ナルーマスクのF.U+というモデルを使ってみました。
購入動機は、日焼け対策と虫食い対策に加え、花粉やPM2.5のような大気汚染対策をしたかったからです。
花粉シーズンの春秋は鼻炎薬が手放せない体質ですが、薬を飲むと頭がボーッとするなど副作用もあり、できるなら飲みたくはない。また健康とはいいがたい身体なので、年中排気ガスやPM2.5をバンバン吸い込むのは避けたいと考えるようになりました。冬〜春に多く飛来するPM2.5や黄砂の分布予測を見ると嫌になります。
F.U+の購入前はパールイズミのフェイスカバーのみ使っていました。口周りに開放部があり、呼吸が楽なのが特徴的です。しかし代わりに花粉等のブロック性能は犠牲になっています。
そこでナルーマスクであれば呼吸のしやすさと大気汚染対策の両立ができるのではないかと考え購入しました。2年ほど使用したのでレビューします。
レスプロと悩んでナルーマスクを選んだ理由
当初はレスプロのスポーツマスクも候補でした。マスクには排気弁があり呼吸が楽そう、フィルター性能が高そうということで気になっていました。
しかしフィルターは定期的な交換が必要で、ランニングコストがかかります。そして替えのフィルターは安くない。またマッドマックスに出てきそうなほど見た目がゴツく、水分補給に手間がかかりそうなデザインです。そのためレスプロには決め手が欠けていました。
その点ナルーマスクは、
・手洗いで繰り返し使えランニングコストがかからない(フィルター性能が高いFシリーズは100回手洗いしても99%以上の微粒子除去率を維持)
・普通のマスクらしい見た目の製品もある
・デザインを選べば補給もスムーズにできそう
ということで、ナルーマスクから選ぶことにしました。
F.U+を選んだ理由
ナルーマスクの数あるマスクの中でも、F.U+という「フィルター性能が高く、普通のマスク型」のモデルを選びました。
種類
ナルーマスクの製品はその特徴ごとにアルファベットが割り当てられています。
F:高機能フィルターマスク
X:スタンダードモデル
N:ハイグレード繊維モデル
Z:フレーム搭載マスク
E:イージーモデル
花粉や排気ガス、PM2.5などをブロックできるFシリーズがいい
私は花粉等のブロック性能がほしかったため、「Fシリーズ」は確定。ナルーマスク商品の「花粉対策マスク」のカテゴリーではFシリーズのみラインナップされています。
公式サイト内の説明を読むと、Fシリーズの製品は実際に花粉や黄砂、PM2.5(2.5μ以下の粒子)をかなりブロックできるようです。第三者機関で検査したというのも安心材料。
NAROO MASKのFシリーズの「マイクロネットフィルター構造」は、「固体」である花粉や大気中の微粒子を絡め取る機能に大変優れているので、排ガスに含まれる1.7〜2.6μ(ミクロン)の大気中の「固体」を99%以上ブロックすることが可能です(第三者機関検査済み)。
問題はFシリーズの中でどのモデルにするかですが、F.U+で即決でした。
決め手はフィルター性能と形状
F.U+以外のモデルは頭からズボッと被って装着したり、首や頭が覆われた形状になっています。花粉をブロックするだけであれば、しっかりとフィットして、覆う範囲が広いモデルが最適だと思います。
しかし私は春秋冬だけでなく、夏場の使用も考えています。花粉以外にも、大気中のホコリや排気ガスもブロックしたいからです。となると、覆う範囲が広いモデルは暑い。
またメガネ常用者なので、頭からズボッと被るモデルは着脱がめんどうです。毎回メガネやヘルメットを脱いで、マスクを着脱する必要があります。パールイズミのフェイスカバーでも手間に感じていました。
さらに顔や首をぐるっと覆うモデルでは水分補給がしにくそうという不安もあります。見た目もゴツくなります。
・花粉等のブロック性能が高いFシリーズ
・Fシリーズの中でも比較的涼しそう
・着脱と補給がお手軽な普通のマスク型
以上の3点が決め手でF.U+にしました。
日焼けや寒さはF.U+にほかの製品を組み合わせて対策するつもり。身につける物の数が増えるとそれはそれでめんどうに感じる可能性はありますが、それはそれでまた考えます。
ディテール
全体像はこんな感じ。
表側の生地はこんな感じ。よく伸びて、顔にフィットしてくれます。
裏側のほうが肌触りがよく、毛の短いフリースや裏起毛に近いですね。使い込んで毛羽立ちがあるせいかもしれませんが。
私は肌が弱いですが、痒くなったりかぶれたりしたことはありません。
鼻には不織布マスクよりしっかりとしたワイヤーのようなものが入ってます。各自鼻の形に合わせることができます。
耳かけは長さ調節が可能。耳が痛くなったことはなく、つけ心地も悪くありません。パーツが小さいのでちょっと扱いにくいですが、これ以上大きくすると耳にかけたときに違和感が出るんでしょうね。
Lサイズで、重さは約12g。負担になりません。
畳むとライター程度の大きさなので、ポケットに収納しやすいです。
正直、フィルターの効果は実感できてない
換気口があるパールイズミのフェイスカバー等と比べるとフィルター性能は高く感じます。
しかしまだハッキリと効果は実感出来ていません。F.U+に効果がないと言ってるのではなく、365日24時間いつも鼻がズルズルしてるので、F.U+をしてるときとしてないときの差がわかりにくいんです。
だから正直マスク性能に関してはなんとも言えない。F.U+を身に着けてサイクリング中に花粉症が悪化したことはないので、たぶん効いてるんだろうけど。
フィット感がイマイチ
F.U+の鼻部分には、不織布マスクよりしっかりとしたワイヤーのようなものが入っており、各自の鼻に合わせてフィットさせることができます。
ところが私の場合は鼻のフィット感がイマイチで、寒い時期の徒歩ではメガネが曇ります(自転車に乗ってたら曇らない)。
つまり鼻の隙間から外気が侵入し、花粉や排気ガスを吸っているはず。
実際に自転車以外のシーンでF.U+を付けっぱなしで生活してみると鼻水は止まりませんでした。普通の不織布マスクよりは効果は感じられますが、おそらく隙間から花粉が侵入しているものだと思われます。
F.U+の花粉ブロック効果をハッキリと感じられてないのは、この隙間が原因かもしれませんね。
私は左右で耳の高さが違うため、そのせいでうまくフィットしてないのかも。ほかのレビューを読むと花粉症に対して絶賛の声もありましたし。
口呼吸で対策できるっぽい
ただ解決策はあります。鼻呼吸ではなく、口呼吸にするだけです。
鼻のフィット感こそイマイチでしたが、顔にはビタッと沿うように着用できます。口を開けてほんの気持ち尖らせると唇にぴったりとマスクが沿うため、そのまま呼吸するとマスクを通した空気だけ吸うことができます(上の画像参照。ガムテープを口に見立てて)。
鼻の隙間はなくなりませんが、口で隙間を埋めるイメージです。これならメガネも曇りません。
メガネの曇りを防止するための鼻クッションなんかも売ってますんで、フィット感に関しては何かしらの対策はできると思います。F.U+は耳掛けに長さ調節のアジャスターもついてますし。
日常生活では鼻水が止まらず、自転車では悪化しない理由
「日常生活では鼻水が止まらなかったけど、自転車では花粉症は悪化しなかった」
という現象は、
・日常生活では鼻呼吸でマスクを通さない空気を一部吸っていた
・自転車では口呼吸でマスクを通した空気を吸えていた
といのが理由かもしれませんね。
また普段の生活では鼻呼吸なのでメガネが曇って鬱陶しいですが、自転車シーンではそこまで不都合はないです。自然と口呼吸になりマスクを通して空気を吸えるため花粉や排ガスをブロックできているはず。乗ってたらメガネも曇らない。
私も我慢してF.U+を使用してるわけではなく、自転車に乗ってる間はとくに不満はないです。花粉に対しては劇的な効果を期待してたので、それがちょっと残念なだけ。
心理的な効果は確実にある
ネガティブなことも書きましたが、「花粉をブロックできてる(はず)から自転車に乗りやすくなる」という心理的なメリットは確実にありますね。
花粉症って辛いんですよ。頭がボーッとして、ティッシュが手放せないほど鼻水が垂れて、鼻下が荒れて血が出て、なにも手につかない。薬を飲んだとて副作用で眠くなったりする。だから外に出て自転車に乗るのが億劫になる。
F.U+があることで、自転車に乗るまでのハードルが下がります。
決してハードルがなくなりはしないですが、「乗りたくなったら乗れる」ぐらいにはなりました。F.U+購入前は「自転車に乗りたくなっても花粉症が怖くて乗らない」ということばかりだったので、かなりの進歩です。
また排ガスなどの大気汚染による健康被害が気になりだしてからは、マスクなしで自転車に乗ることを躊躇うようになりました。排ガスや黄砂、PM2.5を吸う行為が気持ち悪くなっちゃったんです。パールイズミのフェイスカバーじゃフィルター性能はさほど期待できないし。
しかしナルーマスクのF.U+のおかげで、その「気持ち悪さ」は大幅に軽減されました。トラックに挟まれたときはさすがに嫌になりましたが、ファミリーカーが横を走ってるぐらいじゃ気にならなくなりました。
※ナルーマスクの公式サイト(NAROO MASKは排気ガスをブロックできるの?)によると、排ガスは完璧にはブロックできないみたい。排ガス内の個体はブロックできても、やはり気体は無理だと。それでも排ガス内のPM2.5などをブロックできるなら充分付ける価値はあると思う
登坂は息苦しい
平坦はまったく問題ありませんが、肩で息をするような登坂は厳しい。峠越えでは私は付けてられません。換気口があるパールイズミのフェイスカバーやベンチレーションマスクでは付けたままクリアできる峠でも、ナルーマスクF.U+では息苦しく脱ぎ捨ててしまいます。
どうせ登坂で息苦しくなるのがわかりきっているため、登り始める手前でマスクを外してポケットに突っ込むようにしています。乗車しながら片手で外せるので大した手間ではないです。
いくらフィルター性能が高くとも、付けていられない場面があるのはちょっと残念。
とはいえ、ルートの大半が登坂ってことはないので、多くの場面ではそのフィルター性能を発揮してくれます。F.U+をして出かけたほうが鼻水や喉の違和感は少ないので、「どうせ峠で外すから最初から付けない」という選択肢はない。
真夏でも付けていられる
花粉だ黄砂だPM2.5だでほぼ通年マスク付けて自転車乗ってる。アウトドア向いてない。けどこの時期でも意外となんとかなる。 pic.twitter.com/UD6GybvpcT
— モージュー (@yama_chari) August 13, 2022
排ガス等が気になるので、真夏の日中のサイクリングでもF.U+を付けて自転車に乗ります。もちろん暑いんですが、自転車のスピードで走っていれば意外と大丈夫です。日焼け対策、虫食い対策にもなりますし。
対応する季節は「オールシーズン」とあったので、夏でも使えるということだと思います。
真夏に顔周りを覆いたいなら、パールイズミのUVフェイスカバーやベンチレーションマスクがおすすめです。口に換気口があり、呼吸しやすく比較的涼しいです。
F.U+とフェイスカバーの使い分けがハッキリしてないので、状況や気分で使い分けてます。花粉シーズンは間違いなくF.U+を選びますが。
洗濯は手洗い限定のためちょいと手間
ナルーマスクのFシリーズは洗濯で繰り返し使え、ランニングコストがかからないのが利点の1つです。しかしその洗濯は手洗い限定のため、ちょっと手間がかかります。生地が繊細なのか、優しい扱いが必要なようです。
NAROO MASKの生地はこの「とっても細い」繊維を、特殊な編み方をすることで、生地自体にUVカット、防寒、花粉をブロックする機能があります。
NAROO MASKの洗濯方法は、「中性洗剤」で「手洗い」そして「陰干し」です。
「中性洗剤」「手洗い」「陰干し」いただき丁寧にお取り扱い頂くことで、フィルター機能が繰り返し再生し、長期間ご使用いただくことが可能です。
衛生的、経済的なマスクです。
また、洗濯後も室内で一晩陰干しして頂ければ、朝にはご使用いただける速乾性も兼ね備えています。
時々、「洗濯機に直接入れて洗濯しているよ。」とのお声もいただくのですが、長期間繰り返しご愛用いただくためにも、「中性洗剤」で「手洗い」「陰干し」をお願いします。
自転車に乗った日のお風呂でそのまま洗うのが楽かもしれませんね。
実は私は何度か洗濯機で洗ってしまってます。見た目も性能も劣化は感じられませんでしたが、やはり手洗いしたほうがいいでしょうね。
※手洗いだけでメンテナンスしてたときでもフィルターの効果はハッキリと実感できていなかったので、「洗濯機によって劣化したせいでフィルターの効果を感じられない」というわけではないはず
サイズ選び
私は成人男性で、Lサイズを購入しました。小顔と言われたことはないですが、顔が大きいわけでもなく、まあ普通ぐらいでしょうかね。これでサイズはいい感じです。
サイズ展開はSサイズとLサイズの2種類。
小顔ならSサイズ、そうじゃないならLサイズでいいと思います。耳掛けは長さ調節機能があり、鼻はノースクリップでフィットさせることが可能のため(私にはイマイチだったが)、サイズ選びは慎重になりすぎなくてもいいかなと。
現状、使わない選択肢はない
フィルターの効果を実感できないとか息苦しいとかネガティブなことを書きましたが、現状ナルーマスクのF.U+を使わない選択肢はありません。
・洗濯で繰り返し使用できランニングコストが優れている
・普通の見た目で身に着けやすい
・付け外しや補給がしやすい
・花粉や排気ガスに有効という触れ込み
・それなりに呼吸がしやすい
このようなマスクは私は他に知らないので、F.U+を使い続けるしかありません。
もっといいマスクを探す旅は終わらないけど、しばらくはパールイズミのフェイスカバーやベンチレーションマスクと併用していく感じになりますかね。この2年、そうしてきたように。