冷え性持ちなので冬はもちろんのこと、春秋でも自転車またがれば耳が冷たくなります。体は汗をかいても耳だけ冷たいというのはよくあること。なので耳あては必須です。
しかし市販の耳あてではしっくりくるものがありません。実際にいくつか耳あてを購入し試しましたが、長時間つけていられなかったり、見た目が大げさだったり、保温性が過剰だったり、かゆいところに手が届きませんでした。
そこで理想を求めて耳あてを自作しました。
耳あて遍歴
これまで使用した耳あての問題点に軽く触れておきます。
※想定する気温や状況によって使用感は変わるので、おおまかな感想として受け止めてください
カーハートのニット帽
・耳は冷たく、頭は暑い
・メガネと干渉し耳が痛くなる
パールイズミのイヤーウォーマー
・防寒性が低い
モンベルのイヤーウォーマー
・メガネと干渉して耳が痛くなる
・真冬以外では大げさな見た目
・かさばる
ほしい機能
以上の耳あての屍を超えて、ほしい機能を洗い出しました。
・耳はあたたかい
・頭は涼しい
・痛くならない
・着脱がラク
・かさばらない
・真冬以外でも使いやすいデザイン
ざっとこんなところですかね。
固定方法が課題
暖かいのは当たり前として、大きな課題は固定方法です。
巻く、挟む、締め付けるタイプはメガネと干渉して痛くなるので避けたい。
その点、耳あて付きの帽子はよさそうです。耳あて部分は帽子からぶら下がっているだけなので痛くなることはないと思います。着脱も帽子を被るだけで楽ちん。
しかしその手の帽子は耳あて部以外もフリースなどの保温性の高い素材でできており、真冬以外は頭部が暑くなりすぎることが予想されます。そのため汎用性、決め手に欠けます。
・耳あては帽子からぶら下がっている
・頭部はメッシュなど暑くならないもの
ほしい耳あてを具体的に表すとこんなところです。しかし「あたたかさとすずしさ」という矛盾を抱えた製品はおそらくない。ならば自作しかない。
自作した自転車用耳あて
完成品がこちら。
好みの帽子やヘルメットに面ファスナーで取り付けて使用します。
自転車用とはいいつつ登山でも使っています。自作のきっかけが自転車だったというだけです。
機能紹介
表はシルナイロン、裏はフリース、中は化繊綿(夏用寝袋程度の厚み)を仕込んでいます。
重さは両耳合わせて10.5g。
シルナイロンで防風、フリースで肌触りとシャカシャカ音対策、化繊綿で軽さと保温力を得る狙いです。色は黒にして、髪の毛と同化させて目立たなくなるように意識しました。
固定方法は、帽子やヘルメットなどの被り物に面ファスナーで装着。被り物からぶら下がっているだけなので、長時間の着用でも耳が痛くならないはずです。被り物には貼る面ファスナーを使用しています。
耳あての脱着が簡単かつ軽量コンパクトなのでポケットに突っ込んで持ち運びが可能。
さらに好みの被り物に耳あてを増設できるため、「頭は涼しく。耳は暖かく」を実現しやすくなっています。
ただ、面ファスナーでぶら下げただけでは風でバタついて保温にならないので、被り物のあご紐で抑えます。帽子やヘルメットを被る動作の延長にあるので、耳あてを取り付けたからといって手間は増えていません。
あるいは耳あての青いループにあご紐を取り付けるか。
このループは耳あてを頭の上でまとめるときにも使えます。今のところ使ったことはないので、今後の運用方法次第では切り落としましょうかね。
使用感はかなりいい
ほしい機能は概ね満たせたと思います。
とくに長時間の着用で耳が痛くならないのはとても快適。春サイクリングで6時間以上、連続着用してましたが、痛みはまったくありませんでした。10時間でも余裕だと思います。
サイクリングではパタゴニアのダックビルキャップとミドリ安全のインナーヘルメットのセットがお決まりなので、ほかの被り物に耳あてを付け替えることはなく、基本的に装着しっぱなしでした。だから耳あて脱着の手間がかからずお手軽でいい感じです。
「耳あて必要かな?」という微妙な気温の日は、耳あてをサコッシュに突っ込んで持ち出していました。軽量コンパクトで持ち運びが苦にならず、悩んだらとりあえず持って行けます。面ファスナーが付いてるので、収納時にメッシュのポケットなどを破損させないように注意は必要です。
そして肝心の保温力について。冬の使用をメインに想定していましたが、私の冷え性レベルでは春秋にちょうどいい保温力となりました。
となると暑くならないように頭は涼しく保ちたい。ここで好みの被り物に装着できる汎用性の高さが活きました。メッシュのダックビルキャップと併用できているので、ポカポカ陽気でも頭がオーバーヒートする感覚はなく、耳だけ保温できています。
見た目も許容範囲です。
改善するなら
改善したいポイントがあるとするなら、マスクと併用したときの補給方法ですね。
花粉やPM2.5対策に防塵マスクを装着してサイクリングに行くことが多いです。耳あてをヘルメットのあご紐で抑えるとマスクの紐の着脱がしにくい。つまり補給がしにくい。
耳あてが必要な時期は頻繁な水分補給が不要なので、補給のしにくさは大きな課題とは感じていませんが、改善するならここかなと。
自分で言うのもなんですが、なかなか完成度が高くて、大した不満がないんですよねー。ほしい耳あてを作ったんだから、当たり前っちゃ当たり前だけど。
あとは冬用に保温性を高めたいところです。ほかの耳あてを併用するか、中綿増量バージョンを自作するか、また考えます。
作り方
ざっくりと作り方の説明をば。
必要な素材は表生地、裏生地(肌に触れる面)、中綿、貼る面ファスナー。
私はミシンを使いましたが、耳あては小物で強度も求められないので手縫いでイケると思います。
紙を顔に当ててサイズや形をイメージし、型紙を作ります。
被り物と重なる部分には綿を入れてません。被り物が窮屈になったり、暑くなるのを防ぐためです。
表生地→裏生地→中綿の順に重ねて、上の直線以外の周囲を縫います。
まだ縫っていない直線部分から裏返して(これで綿が中に収まる)、仕上げに縫います。
基本はこれでイケるはず。過去に寝袋(化繊キルト)を作ったときとほぼ同じ方法なので、この耳あてが作れたらキルトも作れますよ。
ちなみに私は面ファスナーの縫い付けを忘れたので、形ができてから後付けしました。
名前はドッグイヤーウォーマー
自作品、とくに第一号品は完成度が低いことが多いんですが、この耳あてはかなり手応えがあります。すでに必需品と言っても過言ではないほど。
ステム上の木製ラック、グッドラックと並び一号機からすでに大活躍。
さて、この自作耳あてに名前を付けましょう。
ダックビルキャップの白に垂れ下がった黒い耳あてがスヌーピーのように見えたので、この自作耳あての名前は「ドッグイヤーウォーマー」とします。